時の重さを量るように

エレベーターの中で

年はとりたくないわね 体のあちこちが痛くなってくるし
若い人は良いわね   と
年配の女性はポツリ  と

エレベーターに乗るとき、近くのグランドから若人の力強い声が
弾けるように通り過ぎていくのを、懐かしい時の流れに身を浸すように
この女性は佇んでいた

僕のほかには誰も乗っていない
独り言でもなく 語りかけるでもなく
深い森の奥からやってくるような 声で

どのように応えたらよいのか
もし 彼女が微笑みながら僕の方を見て言ったのならば
たぶん 何通りかの 応答ができた と おもう
でも その時は 出てきたことばを 否 否 否 と
砕くことしかできなかった


ぽつり ぽつり と 雨が ゆっくり、、、、、

彼女の心の中にある時の欠片たちは
深い眠りのなかに
それとも、、、、






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雨 降る 夜  
冷たくもなく 暖かくもなく
あの時 あなたが 僕の目の前にあらわれることなく
命を枯らすこととなるあの果実を
夜の雨のなかに置き去りにしたならば

いま 
雨 降る 朝
窓の外の景色は全く違った世界の言葉に満ちていたはず

あの果実は 
時の欠片となり、、、、



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街にはいくつもの川が流れていて
流れ着いた果実を手にして
物語の扉を開き
歩いてゆく



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ひとけのない みちで
ゆめをさかす はなと
であう






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by soratokinokakera | 2017-02-01 05:40 | 時の回廊 | Trackback | Comments(0)