食卓

翼は朝に染まる空の中で
風を切る
乾いた隙間から流れ出し
時間の谷を降りて 
霞の深さに届く 食卓

時の痕跡に触れる祈り 
胸の奥に
凭れる 空は
静かな色付き 
動かない手と 太陽の憂鬱

広げられた食卓の上に
空から降りてくる経糸
碇の早鐘を打つ海の眠りを
届けるのは踊る少女の長い手


燃える砂浜を描く地図を片手に
砂絵の上を旅する
東からの影
背中の歩行を
飾り窓の中から眺め
なだらかな稜線が重なる
炎陽の失意を
転がしていく 自動人形
躓く人形時代を片手に
地中に埋もれたステーションから
未知の雲と空を眺める 食卓

街の朝に弾けた光が窓という窓を
複写しながら
昨日やり過ごした時間
流れていく雲
追いつかない 眠り
離ればなれの時間の焦点が
食卓の上に掛かる
システムの河を巡り
冷たい伝動の歯車は 祈りのよう

螺旋は
朝を立ち上げていく朝顔のつる
虫かごの中の
メリーゴーランド
起き上がる青い空
真夜中の酵母を過剰に包み込んで
焼き上がったパンが
食卓を飾る
水の惑星群に
乾杯だ


記憶の底から痺れるような香り
洗われた波の先に触れて
川を昇っていく
触れる混沌と鼓動
に、 
振り返る
散れる
後ろ姿の雄弁な樹陰を渡って
深い緑の風を切る
いくつのもカーブを抜ける
風、束ねられた
朝から零れる光の感触を
解き放つのは
夢の中から躍り出る
祭りを流すスクリーン

右岸の片隅左岸の片隅
開いては閉じる
幾つものイロに焼ける
炎陽の眸
夏の果実酒に酔い
ゆらめく蝶の眸は
河に架かる橋を
面影は渡り
螺旋を巡る

蟻と天道虫を想う
鋭利な感情が羽ばたく

化石の森は
空を切る
空が歪む 地が崩れ
化石は火を灯しはじめる
甘い海岸線を 徒
転がっていく
火の化石を飲み干す
機関の感応は叫びをつり上げ
無垢の波に洗われた
曲線に触れて
我を忘れて
我を想う

水の惑星群に
乾杯だ


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by soratokinokakera | 2017-02-18 18:59 | ひかり ことばの 影 | Trackback | Comments(0)