詩のブログ
by soratokinokakera
想像の地平線を引きよせて
遊歩者の胸に光をあてて
高層ビルの柱を傾かしては
見えない構図の揺り籠で眠る
凍り始めて見えてくる君の顔に吹く風
瞳の中で灯る 言葉の呼吸
過去は時間の偽りを眠らせ
明日の隙間へ眠りを忍び込ませる
途切れては繫がる 名を呼んで
喪失は走り去る無名の風となる
杏の花と雲の肌が結ばれた
散るまでに香る時の花道を
人々の心に伝えた
親密な合い言葉が響く弦楽
さらわれた調律の秘密
中心を追われ旅する星
一輪の太陽が沈黙を溶かす
花咲く夜
塵まみれのボタンを
掛け違えていく感情の落とし穴
残された 重力の影におびえる
ひとりのピエロになる