カテゴリ:言葉の森へ( 2 )

反転

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反転した地下道
夜は奪われて
人工色の想いは
波長の震えを網膜の
さらにその奥まで
滅んだことの無い
巌の時間の裂け目から
消えることのない火
を、夢に打ち込む
忘れることを零すことばたち
路地に金太郎飴の
とろける時間
深紅の花の歌を聴く
少しだけ鏡の角度を変えてみる
見えない扉を開いて
春の香りを通る木立のなかで
掛け違えボタンの
ゆがんだ影が伸びていく
開き掛けた地下道への
小さな蕾



by soratokinokakera | 2017-04-05 19:20 | 言葉の森へ | Trackback | Comments(0)

夢の果実

記憶を震わす香りは
夢の 果実に触れ
罅割れた皮膚から 
記憶の風がやってくる

音にならない 豊かな 時の音色が連なり
子供達の 言葉にならない 景色の重なりが
虹を生む

二重奏が終わる頃
夕暮れは瞼を降ろし
透明な雨がふる街は 冷たい
薔薇の香りが沈む 飾り窓に囲まれた眠りへと
落ちてゆく

物の怪もとりつかぬ 言葉が 霞のように手のひらから こぼれ
華やいだ 蛍光色の足取り
崩れていく階段を 駆けのぼる
螺旋状の 情感  操り  流されて

一瞬

永遠の岸辺に よこたわる
静けさと 瞑想のうちに 時を待つことにしよう




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by soratokinokakera | 2017-02-04 10:57 | 言葉の森へ | Trackback | Comments(0)