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遠い血




小さな嘘は胸の奥で

偶然と瞬間を彩り続け

小綺麗で淫らな正義の仮面を今日も

密かに撫でまわしているのだ

あらゆる ひとりを

演じ続ける舞台の影たちは

咲き狂う瞳孔に曝された貝殻のなかで

幻の声を響かせている


汚れた風に運ばれた空模様ばかりが選ばれて 

蚤の住む辺境の地にまで

招かれもせずに

その空はやってくる

自由と平等の名のもとに

エメラルドの砂漠をつくると言う

ああ 黄金のどぶ川にのみ込まれ

あらゆるダンスのスッテップを刻んだ

脚を見るうちに

思いは離れ流されていく

酔いつぶれた たとえ話と添い寝して

いくつもの夢を脱がしていく


無言の境界線を手放すことは無いのか

遠くからやってくる言葉と繫がるとしても



by soratokinokakera | 2017-07-29 17:17 | | Trackback | Comments(0)

透明な



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ひとつの帰り道を

外れていく 視線を追う

違いが見えながら 追うように

同じに思える ひとつもあり

この空の下では同じように

傷を負い 傷つけられて

送られてくる声は 傷つける

深い海の色の中で仄かな

呼吸のような点滅 深く

作られているように見える 透明な罪


架空の土を積み上げた土地の上に

いくつもの根を 埋め 増殖して

日々更新されていく

だろう つなぎ目の上を

通り過ぎる音が

チクチクと

後頭部へと抜けていく


晴れやかじゃないかと

曇る硝子窓の下で

乾燥した挨拶をいつものように交わしているではないか

どこで なにが 変わったのか いつ

弾かれるばかりの鏡面に囲まれて

眠りながら

のみ込まれていく


柔らかなクッションの上で

落ち着きを失った平衡

樹間に浮かぶ 休日の晴れ姿

目の前にはシャボン玉の笑顔

名札が 剝離して

暗号化された皮膚の内側で

巡り会うように

操られた軌道

甘い背景の暗い唇からの伝言

漂白された真実の駅で降りて

夏はひらいたヒマワリの目だ






by soratokinokakera | 2017-07-16 14:57 | | Trackback | Comments(0)

夜の越境

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夜は越境を繰り返す

遠く置き去りにした瞬間に

熱い 感触を刻んで

疾走する朝を飲み込む

夜を 深く

感情の嵐に沈め

隣人の手はもう其処まで届いているのだが


目に飛び込んでくる

破れた色彩

霧に覆われた鏡の前で

手触りを失った

新鮮な輪郭

目の動きは

解読の迷路を描く

翼のない天使たちによって

街は化粧を落とされ

二重の輪郭線を引くまでになった

踏み外すことのない

幻の不毛

温かな食事の匂いに囲まれた

鮮やかなコピー


波の重なりが

遠い空気を運んでくる

震えは

一瞬を切り裂いて

手のひらに

時の感触を刻んでいく

昨日の熱は

過ぎ去った風が拭き取る

背中を押す 錘の暗さ

離れていく身体の背中を視ながら

心の扉を背中で閉じていく







by soratokinokakera | 2017-07-01 15:20 | | Trackback | Comments(0)