詩のブログ
by soratokinokakera

軒下の砂時計
洋々と砂嵐
風に迷い子の紋様
傾きを保つ砂上の難破船
一筆と一筆の
連続と分断音速の幻に咲く花
すきま かぜの なかに
根を張る植物群
漂着と衣擦れの音を
風が運んでいく
沸き立つ化石達の囁き
体温と視線との距離を枯れ木の肌から問う
流れているはず
ふと
空を見下ろす
水色の飛び散る 鉱石群
震える音色の波紋が 泡だつ
まれに 声は
空を砕く
示された 心音のぬくもり
吠える憂鬱は 雑踏を離れ
閉じられた瞼のうえで
ほころびはじめた
月の裏側に置き去りにされた影の夢
無の意識
ヨルは
呼吸を縛り
夢の解体
命の開放へと
過剰に は し る。
花の光は裏窓から香る。
新たなる嗅覚
ショッピングモールと意識下の
飾り窓は
親密な盲点をつなぎ合わせて
靄を包む硝子玉の薫りを滲ませる。
沸き立つ記憶の結晶体
追われては 捨てられた
時代を纏う
調律された言葉
月が打ち降らす無調の波に砕け
気圧にゆがむ視界は
呼吸の鼓動から離れ
ヒカラビた
枯れ枝の揺り籠の中で飽和する。
綻びを引き寄せて
果実の輪郭線を歌う
時を宿す種と
純白の根は風になり
影が生まれたと
窓辺に に 置く
地の奥に刻まれた 海と出会う祭りを巡る
影も光もない水底の雪降る朝に。
白い磁器の眠りへと
感情の境界を刻む
記憶に濡れた
はぐれ人が降る街の
遊歩
月と海との会話は
皮膚の細胞を震わし
共鳴の誕生を促す、その
キザシとして
イタむ、色、
海は月のかけらを拾う
瞼のリズムと
想いの点滅を
呼吸の旋律から
見ること、
謎の中心 ハナタレた
狂った方位
暖かな鼓動の誘惑曳く
波紋
北の風と出会う 時が迫ってくる
不在証明に追われる
狂った体内時計
IDカードから零れる逃亡者の雲
繋がろうする鏡の前で
跳躍を繰り返す
沸騰する液状の夢
森の掟をみたす
白い磁器の眠りは
見えることのない
遠近法の扉を描く
消された 朝
地平線を つま弾く
乾いた 夜の流木、
光の屈折を束ねた岬
眠りの漂着物をはぎ取る
鉄の瞳孔、
寝返りを打つ明日の雨に打たれて
今日の約束と別れていく
旅人の失われた船が浮かぶ
十字路
予言者たちのカーニバル
と、
捧げられた無言の交信
あつく根を砕き
柔らかく岩肌を濡らす
雨の助走から
零れる
目の前の景色の
まっさらな 嘘。
かわされていた
水際の目論見
漂着物の断層
失われた椅子の背もたれ
影の表と裏
溶けていく水母たちのゆらぎと
乾いた笑い声
故郷を忘れて 駆け上る
高層ビルの熱気
岩盤を揺り動かす
唇のモンタージュ
光速の消費
と
乾燥した食卓の上を
彷徨うアングル
みられることの喪失
みることの 消失
が
人形の瞳を染める
あおは どこまで
海に溶けて 空を染めるのか
透明な果実
低く 照射する
オレンジの朝
沈黙の瞼のうえで反転
夢の根に広がる
鉱物の温もり
溶けて行方知らずの
朽ちた夢は ゆっくりと
褪めた月色の肌に
母の唄を刻み込む
再生への底なしの作為を秘めて
風は波長を狂わす
言葉の音色を散らす真夏の花
みることの 崩落
腐り散る眼球の細胞
沈黙の鏡の中で
エス
が
語り始める