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詩のブログ


by soratokinokakera

小麦色のメロディー

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アンドロイの広告塔

人工色の波音から

走り続ける掲示板の深層へと

小麦色のメロディーは流れ落ち

新天地のラプソディーを肩に

羽ばたく鳥たちの

影に

こころ ひかれて なみおとは

ふかく ひかる



# by soratokinokakera | 2020-05-08 06:13 |

木漏れ日の手を引く

木漏れ日の手を引く_e0365964_05421936.jpg


冷たい なかで ひらかれた絵

物静かな視線をそばに置いて

殻の中で目ざめる朝

その、 空 みずいろ の

破れた おと の 残影

夜の底で作られた

水たまりから 

物静かな瞳がひらかれた


しずかに

木漏れ日の手を引く


# by soratokinokakera | 2020-05-07 05:42 |

光は瞳を、ざわめき さわがせ春風の気まぐれに街は、系譜の_e0365964_16223624.jpg


光は瞳を、

ざわめき さわがせ

春風の気まぐれに

街は、系譜の花を咲かし

粉塵踊る細胞達の時代を

アスファルトの肌に転がしている

ビルの 影の 中の 原色の 空は、

逆立ちした一輪挿しの唇が、

咲かしているのだから

鏡には波立つ笑い声


風は

高層の下劣な涙 を、

ステーションのベンチに

時の綻びを座らせて

溶けいく仮面

描かれた頬の空に浮かぶ

呼吸に同調する 突堤

砕かれた波音の浄夜

記憶の裏側に直立する猿人


光と瞳は、

遊ぶ。



# by soratokinokakera | 2020-05-06 16:19 |

朝の巡回

朝の巡回_e0365964_18572419.jpeg

とりとめも無く

救われようとしている街に

つなぎ止めていた

駅までの道も

かかわりの無い途切れ途切れの

断片の表札から

ホロホロと

零れた珈琲の味を確かめながら

時間の躓きを拾い集めてみる

玄関の前に立ちながら

呼吸が細くなっている

自分の手が

見慣れたドアノブを求めるでも無く

冷たく交わる時

光の糸が絡まって

ドローイングの壁が

ドアの僅かに軋む音に

感応し張り詰めていく

朝の空から分離していく

猫は朝のなかに

異邦人の瞳を巡らし

飼いならした僕の足音を

狂わしていく

きえゆく影に手を重ねて

昨日の対価を

明日の朝焼けのために砕く



# by soratokinokakera | 2020-02-29 18:58 |

冬の夢

冬の夢_e0365964_15572842.jpeg


心の手が描く

みることへの沈黙に

便りを出す


操られ沈んで行く

迷路の果て

傀儡の構図に腰掛ける

大時計


壁のなかの瞳は

言葉の地図へと

視線を縦横に伸ばす


消された地平線

蝋燭に焼かれる空

救われぬ街

朝の埠頭

深い眠りの船

乳白色に染めまる波の記憶は

人々の影の間でふるえている

薄ら日さす

あたたかなベンチは人さらい



# by soratokinokakera | 2020-02-24 15:58 |